産前産後休暇(以下産休)と育児休暇(以下育休)を取得したあと、職場に戻りたくない方は意外と多いです。
その本当の理由としては
- もともと辞めたいと思っていた(産休育休手当のために仕方なく在籍していた)
- 出産・育児による配置転換などでマタハラを受けた
- 今の会社では子供中心の生活ができない
- 他にやりたい仕事が出来た
などがほとんど。
しかし産休・育休明けにいきなり退職・転職となった場合にどうしても印象が良くないのが現代の日本です。
「少しでも会社に悪い印象を持たせず退職の意向を伝えるためにはどうしたら良いか」という相談を最近度々受けるようになりました。
元労務担当からお悩みのパパさんママさんへ、会社へ伝えるオススメの退職理由をまとめてみました。
そもそも希望退職を会社は拒否できない
そもそもの話ですが、会社側は社員からの希望退職を断ることは出来ません。
原則としては
①退職の申し出とは労働者側から労働契約を解約する意思表示のこと。会社の承認は不要。②就業規則で別途定めることは出来るが、民法上は14日前までの申し出で労働契約の解約が可能としている。就業規則で定めていた場合でも民法が優先される。
としています。
とはいえ強行的に退職をしてしまうとのちのちトラブルになり余計な時間と体力を使うことになってしまいます。
出来るだけ就業規則に則って、早めに上司や承認権のある方に相談し、充分な話をしておくことをオススメします。
尚、就業規則の退職申し出時期が不当に早い場合(6ヵ月前までなど)は事前に社労士や弁護士などに事前に相談をしておくと良いでしょう。明らかにおかしいものですので。
オススメの退職理由
さて、前提条件を確認したところで次はオススメの会社に伝える退職理由をまとめます。
退職の理由によってはあっさりと退職を受領してくれるのでどうしても早く辞めたい場合などにぜひご活用ください。
多少嘘があっても大丈夫です。そもそも労働基準法では雇用主に退職理由を申告する義務はありません。「一身上の都合で」で充分ではありますが、手続きをよりスムーズにするためにある程度の理由付けはしておくと安心です。
保育園に受からなかった
都心などの待機児童の多い地域で使える理由が「保育園に受からなかった」というもの。
待機児童はもはや社会問題。民間企業の保育園も増えてきてはいますが、まだまだ幼児の人数に大して保育園が足りていません。
保育園に受からなかったという理由で退職をすることは、ある程度会社でも認められるでしょう。
ただし、会社内や会社の組織に保育施設があるところでは使えません。
また在籍証明を事前に提出しなければいけない保育園の場合は誤魔化すことが難しくなります。
この理由がオススメな人
- 都心などの待機児童の多い地域の人
- 職場と自宅の距離がそこそこある人
- 職場に保育施設があるけど子連れの通勤が不可能と感じる人
この理由が使えない人
- 職場または関連会社に保育施設がある人
- 職場と自宅が近く、送り迎えの姿が見られてしまう人
- 事前に在籍証明が必要な園に通わせる人
実家に帰る・引越す
子供が生まれたことで引越しを考える夫婦は多いです。広い家に引っ越す、子供が走っても良いように戸建てを購入する、育児を手伝ってもらうので実家近くに引っ越すなど理由は様々。
特に初めのうちは実家に頼らないと育児ノイローゼなどに苦しめられることもあり、実家近くに引っ越す女性はとても多いです。出産育児経験のある方なら必ず納得してもらえる理由なので比較的引き留められにくいです。
ただし、職場と自宅が近くすぐに同僚とあってしまいそうな方は嘘がバレて気まずい思いをするので利用できません。また実家が職場から近い場合も引越しの必要が見つからないため怪しまれてしまいます。
この理由がオススメの人
- 初めての出産&育児
- 自宅や実家が職場から遠い
- 転職先への入社日が決まっており、退職までのリミットがある人
この理由が使えない人
- 自宅や実家が職場から近い
- すでに広い家を持ち、実家も近く、すでに数人の子供を育て上げている人
子供との時間を大切にしたい
産まれるまでは子供が好きではなかった人も、出産を経験すると途端に子供に対する愛情が膨大になります。
子供よりも仕事!と思っていても出産と同時にガラッと変わってしまう方を何人も見てきました。
(実際筆者も甥っ子が出来てからものすごい子供好きになりました)
そんなときは「退職して子供との時間を増やしたい」という理由。上司に子供がいない場合はあまり理解してくれないこともありますが、ポジティブな退職理由なので上司としても断りづらいものになります。
ただし理由が曖昧なため「決算が終わるまではいて欲しい」「月末まではいて欲しい」などの退職日を延長させられる可能性はあり、こちらも明確な拒否理由がないため難儀する場合もあります。
この理由がオススメな人
- 転職先への入社日に余裕のある人
- 上司や周囲が育児に理解がある職場の人
この理由が使えない人
- 転職先の入社日が決まっており、リミットのある方
もっと都合の良い仕事を親戚に紹介してもらった
育児をしながらの就業はとても難しいものです。
最近は企業の努力も目覚しく、以前よりは育児をするパパさん・ママさんが働きやすい環境は整ってきたといえます。それでも育児は一筋縄ではいかず泣く泣く転職をする方もとても多いのです。
そう言った方々の転職先を聞いてみると「もっと育児のしやすい環境での仕事」や「親戚の紹介なので都合がつきやすい仕事」など、育児を中心とした転職理由でした。
この場合はより良い条件を提示できなかった会社側に問題があるので、引き止めることは心理的に出来ません。
ただし、より良い条件を提示して引き止めてくることもありますので注意が必要です。
この理由がオススメな人
- 復帰後もフルタイムや残業の多い仕事に配置されている人
- 時短やフレックス制度に理解が浅い会社の人
この理由が使えない人
- 就業状況や配置について、会社がフレキシブルに対応出来る企業に勤めている人
やりたい仕事が出来た
特に女性の場合は出産によって「人生や価値観」が変わったという方が多いです。
子供がこれから成長していく世界を冷静に見ていたらやりたいことが見つかった方など。
転職理由として「子供と過ごすうちに〇〇について強い興味を持ち、挑戦してみたくなった」と言うと、特に出産経験のある女性上司はむしろ応援してくれるほどです。
この理由であれば転職することを公言しているので保育園に通っている姿を見られる心配もなくなり、事前に在籍証明を取得することも可能です。
この理由がオススメの人
- 事前に保育園へ提出する在籍証明が必要な人
- 転職を公言しておきたい人
この理由が使えない人
- 大規模な企業で、やりたいと説明したことを社内で実現出来る可能性がある人
これから転職をするなら
ちなみにですが、今の仕事で退職を申し出る場合は必ず事前に転職先を見つけておきましょう。
悲しい話ですが育児中の転職は大変難しいです。いざ辞めてしまって転職先が見つからないとなるとかなりの苦労が見込まれます。
もしも転職先が見つからず退職となってしまった場合は無理に正社員というかたちにこだわらず、派遣社員という手段もオススメしています。
お互いの条件が合えばすぐに仕事を始めることが出来、アルバイトよりも時給が高かったり条件が良かったりします。
時短派遣の案件も増えてきているので、育児中のパパママに人気の働き方となっています。
紹介予定派遣という、一定期間ののちに正社員に昇格できる制度もあるので完全復帰もしやすいです。
簡単な登録だけで紹介案件を閲覧することが出来るのでぜひ覗いてみてくださいね。
・まとめ
オススメの退職理由(会社へ伝えるもの)として
- 保育園に受からなかった
- 実家に帰る・近くに引っ越す
- 子供との時間を大切にしたい
- もっと都合の良い仕事を親せきに紹介してもらえた
- やりたい仕事ができた
をご紹介しました。
状況に応じて使い分け、円満退職をしましょう。
関連記事
★↓↓この記事が「役に立った」と思ったらポチっとお願いします!!↓↓★
にほんブログ村